施設(ハウス)での作物栽培において,ハウス際やマルチのない場所によく見られる雑草の一つに“カタバミ”があります。葉がクローバーに似ていることから,間違って判断されることのある雑草でもあります。 このカタバミはそれほど大きく成長する訳でもなく,高さも20cm程度であるため,農作業には邪魔にならないような感じに生育しています。なので,実際は雑草の定義にもなっている「邪魔なもの」ではないような気がします。 昆虫学分野では,作物栽培において作物に害を及ぼす「害虫」,害虫を食べてくれる「益虫」,「関係のない虫」の3つに分類されています。こうした分類が,おそらく雑草分野でもあるのではないか,すなわち農耕地内に発生する雑草の中には,作物に害を及ぼす「害草」,害草に影響する「益草」,作物に「関係のない草」の3つに分類できる可能性があります。「益草」だけでなく作物に「関係のない草」などを明らかにすることができれば,今よりも効率的に雑草防除ができるのではないでしょうか。そうした研究を今後進めていきたいですね。